2009年3月2日月曜日

父の思い出

父の十三回忌が近づいてきました。母にとっては良い夫ではなかったかもしれませんが私にとっては、話のわかる良い父であった思い出が印象に残っています。曾祖父の代から、建設業を営んでいた我が家において長男であった父は、跡取りとして家業と家族の面倒を若い時から背負っていました。その父の長男である私にも、同様の期待がかかり小さな頃からそのような空気のなかで育つことを余儀なくされました。反抗期もあって家業など継ぐまいと思い、別な職業を考える時もありました。しかし、大学を選定するときに覚悟を決め建築の道を進むことにしました。そんな長男の姿を父は大変喜び、周囲に嬉しそうに話していたそうです。父は、下戸でしたので食事を楽しみにしていました。小学生の頃から、あらゆる食べ物屋さんに家族で出かけていきました。また、旅行好きでしたから温泉地や海水浴に。はたまた、東京にと様々なところに連れていってくれました。和風旅館やホテルというものを知る事が出来ましたし、美味しい食べ物屋さんも知る事が出来ました。大学生の頃、建築を志す者は様々なホテルや旅館、レストランなどに行った経験が無ければそのような建築が出来ないと思うと父が言いました。初めて勉強のために、私を色んなところに連れてってくれたのだと分かりました。
今、その経験は私にとってかけがえの無い財産として、また思い出として私の仕事や人生に役立っています。天国の父に感謝。合掌。

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